2027年から「こどもNISA」がスタート!制度の仕組み・メリット・運用方法・注意点をわかりやすく解説

2027年から、NISAの対象が0歳から17歳の未成年にも広がります。

いわゆる「こどもNISA」と呼ばれている制度で、子どもの将来に向けて、長期・積立・分散投資を活用した資産形成ができるようになります。

大学進学などの教育費を準備したい家庭にとっては、児童手当や家計の余裕資金を長期間運用する新しい選択肢になりそうです。

この記事では、2026年8月時点で公表されている金融庁・財務省などの情報をもとに、制度概要、メリット、運用方法、利用前の注意点をわかりやすく整理します。

※「こどもNISA」は一般的な呼び方として使用しています。制度上は、NISAの「つみたて投資枠」の対象年齢を0~17歳まで拡大する仕組みです。

こどもNISAとは?

2027年から、現在18歳以上が対象となっているNISAのつみたて投資枠が、0~17歳にも拡大されます。

2026年3月末に成立した令和8年度税制改正法によって制度の拡充が決まりました。

未成年の間の主な制度内容は次のとおりです。

  • 対象年齢:0~17歳
  • 年間投資枠:60万円
  • 非課税保有限度額:600万円
  • 非課税保有期間:無期限
  • 投資対象:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
  • 12歳以降:一定の条件を満たせば払い出し可能
  • 18歳以降:成人向けNISAへ自動的に移行

年間60万円なので、月額にすると最大5万円まで積み立てられる計算です。

個別株を買う制度ではない

注意したいのが投資対象です。

未成年者が利用できるのは「つみたて投資枠」で、長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象になります。

18歳以上が利用できる「成長投資枠」とは異なるため、未成年の間に個別株を自由に購入する制度ではありません。

一方、2027年からは、つみたて投資枠の商品ラインアップ自体も拡充される予定です。株式だけでなく、公社債などを組み入れた一定の投資信託も対象になり、より幅広いリスク許容度に対応できるようになります。

18歳になったらどうなる?

子どもが18歳になると、未成年時代に保有していた資産は、特別な手続きをしなくても成人向けのつみたて投資枠へ自動的に移行します。

成人後は、年間120万円のつみたて投資枠に加えて、年間240万円の成長投資枠も利用できるようになります。

非課税保有限度額についても、成人向けNISAの1,800万円の枠組みに移行します。

未成年時代だけの制度で終わるのではなく、そのまま大人の資産形成につなげられるのが大きな特徴です。

こどもNISAのメリット

1.0歳から長期間運用できる

最大のメリットは「時間」です。

たとえば0歳から投資を始めれば、18歳まで約18年間あります。

投資では利益がさらに利益を生む「複利」の効果が期待できるため、運用期間が長いほど有利になりやすい傾向があります。

もちろん投資なので必ず増えるわけではありませんが、短期間で大きな利益を狙うのではなく、長期間にわたって積み立てることが制度の基本的な考え方です。

2.運用益が非課税

通常、投資信託などの運用で得た利益には税金がかかります。

NISA口座で運用すれば、その運用益が非課税になります。しかも非課税保有期間は無期限です。

子どもの頃から長期運用する場合、運用期間が長くなるほどNISAの非課税メリットを活用しやすくなります。

3.12歳以降は教育費などに使える

旧ジュニアNISAでは払い出し制限が使いにくさの一因となっていました。

新制度では、一定の要件を満たせば12歳以降に払い出すことができます。

具体的には、入学金や授業料など、子どもの教育費・生活費のための払い出しが認められます。

その際には、資金の使途などを記載した書類を金融機関へ提出し、子ども本人が払い出しに同意していることを示す書類も必要になります。

そのため、「必要になったら親が自由に引き出せる口座」というわけではありませんが、中学校、高校、大学などの教育資金として活用できる仕組みになっています。

4.18歳以降の資産形成にもつながる

大学費用などで使わなかった場合、無理に売却する必要はありません。

18歳になると成人向けNISAへ自動移行するため、そのまま長期運用を続けることができます。

教育費だけではなく、「成人後も保有して、将来の住宅購入や結婚、老後などに備える」という使い方も考えられます。

子ども自身が大人になったときの資産形成のスタート地点を作ってあげられる制度ともいえます。

こどもNISAをどう運用する?

制度が始まったからといって、必ず年間60万円を使い切る必要はありません。大切なのは、家計や目的に合わせて無理なく続けることです。

運用例1:児童手当などを活用してコツコツ積み立てる

比較的取り組みやすいのが、児童手当など、子育てに関連して受け取るお金の一部を積み立てる方法です。

たとえば毎月1万円なら年間12万円。毎月2万円なら年間24万円です。

年間60万円の枠をすべて使わなくても、長期間積み立てればまとまった資産になる可能性があります。

「満額投資しなければ損」と考えず、教育費や生活防衛資金を確保したうえで、無理のない金額を積み立てることが重要です。

運用例2:大学進学まで時間があるうちに積み立てる

0歳や幼児期など、大学進学まで十分な時間がある場合には、長期運用を前提に積み立てていく方法があります。

一方、大学入学直前まで値動きの大きい資産を持ち続けると、必要なタイミングで相場が下落している可能性があります。

教育費として使う予定なら、進学時期が近づくにつれて必要資金を現金などに移していくことも検討したいところです。

運用例3:早い時期に非課税枠を活用する

家計に十分な余裕がある場合には、早い時期から年間投資枠を積極的に利用する方法もあります。

たとえば年間60万円を積み立てれば、10年間で買付額600万円となり、未成年者向けの非課税保有限度額に達します。

その後、新たな投資をしなくても、保有している資産について長期運用を続けることができます。

ただし、一度に多額のお金を投資することがすべての家庭に適しているわけではありません。生活費、緊急予備資金、近い将来に必要になる教育費などを優先したうえで考える必要があります。

金融教育にも活用する

子どもがある程度成長したら、「あなたの将来のために、こういう投資をしているよ」と話してみるのもよいでしょう。

実際の資産が値上がりしたり値下がりしたりする経験を通して、投資にはリスクがあること、長期的に考えることの大切さ、お金を育てる方法について親子で考えるきっかけになります。

利用する前に知っておきたい注意点

1.元本保証ではない

こどもNISAは預金ではありません。

投資信託の価格は日々変動するため、投資した金額より資産価値が少なくなる「元本割れ」が起こる可能性があります。

特に注意したいのが、大学入学など「お金を使う時期が決まっている場合」です。入学直前に株式市場が大きく下落すると、必要な金額を確保できない可能性があります。

教育費のすべてを投資に回すのではなく、預貯金と投資を組み合わせることが重要です。

2.12歳になれば自由に引き出せるわけではない

12歳以降の払い出しには条件があります。

財務省の税制改正資料では、学校の入学金・授業料などの教育費や、子どもの生活費などが対象とされています。

さらに、親権者等が金融機関へ必要書類を提出し、子ども本人の同意を得たことを示す書類も必要です。

そのため、親の買い物や家計補填などのために自由に引き出すことを想定した制度ではありません。

3.贈与税は別に考える必要がある

親や祖父母のお金を子ども名義のNISAへ拠出する場合には、贈与税についても考えておく必要があります。

暦年課税では、1年間に贈与を受けた財産の合計額が基礎控除の110万円以下であれば、原則として贈与税はかかりません。

こどもNISAの年間投資枠は60万円なので、それだけを見ると110万円以内です。しかし、110万円の基礎控除は「NISAへの入金だけ」に適用されるものではありません。

その年に子どもが受けたほかの贈与も合算して判断する必要があります。また、あらかじめ複数年にわたる贈与を約束している場合などは税務上の扱いが異なることがあります。

そのため、「年間60万円だから必ず贈与税ゼロ」と単純に考えないようにしましょう。

4.金融機関の具体的な手続きは開始前に確認する

制度自体は2027年から始まりますが、実際の口座開設方法や受付時期、必要書類などについては、利用する金融機関の最新情報を確認する必要があります。

証券会社や銀行によって対応時期や手続きが異なる可能性があるため、開始が近づいたら利用予定の金融機関の公式情報を確認しましょう。

まとめ:こどもNISAは「時間」を味方につけられる制度

2027年から始まる未成年者向けNISAは、0~17歳の子どもが長期的な資産形成を始められる制度です。

  • 0~17歳が対象
  • 年間投資枠は60万円
  • 非課税保有限度額は600万円
  • 非課税保有期間は無期限
  • 長期・積立・分散投資に適した一定の投資信託が対象
  • 一定の条件のもと12歳以降は払い出し可能
  • 18歳になると成人向けNISAへ自動移行

特に0歳など早い時期から始めれば、長い運用期間を確保できることが大きなメリットです。

一方、NISAはあくまで投資です。大学進学など絶対に必要になるお金まで投資してしまうのではなく、「近いうちに使うお金は預貯金、長期間使わないお金は投資」というように目的に応じて分けることが大切でしょう。

子どもの教育費を準備する制度としてだけではなく、親子で投資やお金について考えるきっかけとしても活用できそうです。

参考資料

  • 金融庁「アクセスFSA 第270号」こどもNISA・つみたて投資枠の対象年齢見直し
  • 金融庁「アクセスFSA 第273号」令和8年度税制改正法におけるNISA拡充
  • 金融庁「令和8(2026)年度税制改正について」
  • 財務省「令和8年度税制改正の大綱」
  • 財務省「特集 令和8年度 税制改正(国税)等について」
  • 国税庁「贈与税がかかる場合」
  • 国税庁「贈与税の計算と税率(暦年課税)」

※本記事は2026年8月時点で公表されている情報をもとに作成しています。実際に利用する際は、金融庁および利用する金融機関の最新情報をご確認ください。

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